痔核とは、通常「いぼ痔」とか「脱肛」などと呼ばれているものです。
痔核の主な症状は「脱出」と「出血」です。
痔核の治療は、保存的治療(軟膏や座薬)・止血療法(パオスクレー)・硬化療法(ジオン)・手術の四種類があります。
「痔核の症状」「重症度」および「本人の希望」などを考慮しながら、治療方針を決めていくことになります。
痔核の原因と症状
痔核とは、通常「いぼ痔」とか「脱肛」などと呼ばれているものです。
便秘で長時間いきむ習慣がある人や、力仕事の人や、長時間座る仕事の人などに痔核は起こりやすくなります)。
痔核の主な症状は「脱出」と「出血」です。
痔核が進行して大きく脱出するようになると、痛みが生じることもあります。
痔核の治療
痔核の治療は、保存的治療(軟膏や座薬)・止血療法(パオスクレー)・硬化療法(ジオン)・手術の四種類があります。
「痔核の症状」「重症度」および「本人の希望」などを考慮しながら、治療方針を決めていくことになります。
保存的治療(軟膏・座薬)
あまり進行しておらず、それほど脱出しない痔核であれば、まずは薬物療法(軟膏や坐薬)で対処します。
もっとも簡単に行える治療ですが、その分治療効果も弱くなります。
止血療法(パオスクレー)
痔核から出血している場合には、パオスクレーという注射を痔核に打って治療を行うことがあります。
止血効果が高く、外来診察室で簡単に行えるところが長所です。
ただしこの治療法は、痔核の「脱出」を治す効果はありません。
硬化療法(ジオン)
痔核の硬化療法は「ALTA療法」といいまして、ジオンという薬を痔核に注射して、痔核を硬化させて治す治療法です。
注射であるところはパオスクレーと同じですが、こちらは痔核の「脱出」を治すことができます。
この硬化療法は切らなくてすむ分、手術より再発率は高くなります。またこの硬化療法はすべての痔核に行えるわけではなく、硬化療法が行えるタイプの痔核(内痔核)と行えないタイプの痔核(外痔核・内外痔核)があります。
手術(けっさつ切除術)
痔核根治手術の概要を示します。手順は以下のごとくです。
①②③痔核を外側からはがしていく(剥離:はくり)
④痔核の根元に血管があるので、これを糸でしばる(結紮:けっさつ)
⑤痔核を切除する。
⑥傷を縫って終了。痔核が複数ある場合には同じ操作を繰り返す。
この痔核根治手術は、痔核をもっとも確実に治せる治療法です。
痔核のタイプや重症度などに関係なく、すべての痔核を治すことができます。
ただし切る必要があるため、痛みや出血などが生じる可能性があります。
かんとん痔核
痔核を長年放置しておくと、急に大きく腫れて激痛が起こることがあります。
この状態を「かんとん痔核」といい、いわば痔核の緊急事態です。
状況に応じて緊急手術を行ったり、薬である程度治してから手術を考慮したりします。
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