やや診断が難しいタイプの痔瘻。
切開開放術で治療する。
高位筋間痔瘻(IIH)は、瘻管が筋肉の間を走行し、奥(口側)に向かって伸びるタイプの痔瘻。
奥に向かう痔瘻を掃除してきれいにする(掻爬:そうは)
傷の治りが良くなるように、瘻管の下側にドレナージを作成し、治りやすい形にする。
解説
このIIH型の痔瘻は全体の10%程度しかなく、それほど頻度の高いものではありません。
この型の痔瘻で特徴的なのは、「他の病院でなんともないと言われたのに、痛みがよくならない」といって大腸肛門科の専門病院を受診される方が多いことです。
膿の出口がはっきりしている他の型の痔瘻と違って、この型の痔瘻は外からみただけではわかりません。
慎重に指診(指でさわって診察すること)してはじめて分かるタイプの痔瘻なので、見落とされる可能性が高いのです。
高位筋間痔瘻の手術は、原則として切開開放術が行われます。
この手術はそれほど難しいものではなく、再発率も低いのですが、正しい膿の入口(一次口)を見つけて処理するには経験を要します。