痔瘻は、肛門陰窩(こうもんいんか)というポケットから細菌が侵入して起こる。

肛門周囲膿瘍と痔瘻の原因は同じ。

裂肛や、クローン病という腸の病気や、異物などが痔瘻の原因になることもある。

 

人間の肛門には、もともと肛門陰窩(こうもんいんか)というポケット(青矢印のところ)が8~12個ほど存在する。

 

中には深い肛門陰窩を持っている人がおり、ここから細菌が入って膿がたまりやすくなっている。

 

この膿が広がって進行した結果、トンネルができることがある。

この状態を痔瘻という。

 

解説

痔瘻の原因は、肛門周囲膿瘍と同じです。

膿が皮膚の下に多量にたまっている状態が肛門周囲膿瘍であり、皮膚を破って膿が排出され、トンネルができた状態が痔瘻となります。

大半の痔瘻や肛門周囲膿瘍は、肛門陰窩(こうもんいんか)というポケットから細菌が入って起こるのですが、ときに裂肛や、クローン病という腸の病気や、魚骨などのとがった異物が原因となっている場合もあります。

痔瘻は若い男性によく見られる病気です(もちろん高齢者や女性にも発症することはありますが)

特にIII型痔瘻やIV型痔瘻といった深い痔瘻は、体格の良い若い男性に多く見られます。

これは男性の方が下痢しやすいことと、若い人の方がいきむ力が強いためではないかと考えられているのですが、本当のことはあまりよくわかっていません。