便が漏れる、ガスが漏れる、下着が汚れるなどの症状がある。
手術、出産、加齢などが原因となる。
肛門内圧検査や肛門超音波検査で診断して治療方針を決定する。
治療には薬・括約筋トレーニング・手術などがある。
■原因
肛門括約筋不全の原因は二つに分けられる。
手術や出産で、括約筋が傷ついて起こる。
加齢で括約筋の締まりが低下して起こる。
実際にはこの二つの原因が合わさっていることも多い。
■症状
便が漏れる、ガスが漏れる、下着が汚れるなど。
中高年の女性に多い。
■検査
肛門内圧検査で肛門の締まりを調べる。
超音波検査(エコー)で括約筋の損傷を調べる。
■治療
①生活上の注意事項
刺激性下剤を飲んでいれば、中止した方がよい。
括約筋不全をきたす薬があるので、飲んでいれば中止する(血圧の薬や排尿障害の薬で、括約筋のしまりの低下をきたすものがある)
食物繊維を摂取する。
②薬の治療
便の性状を整えて便が漏れにくくする。
軟便を固形便に変えるだけで、括約筋不全の症状が改善してくることが多い。
以下の薬を組み合わせて使用する。
便の性状を整える薬
下痢止め
整腸剤
腸の動きを抑える薬
高齢者で「粘液が漏れる」という訴えの場合、抗不安薬なども有効なことがある。
③括約筋トレーニング
バイオフィードバック、ケーゲル体操など。
④手術
括約筋損傷が原因の場合、修復術を行うことがある。
加齢による括約筋不全の場合、通常手術は行わない。