皮膚の下にもぐりこんだ毛に細菌が繁殖し、膿がたまる病気。

薬では治らないので、手術が必要となる。

 

■毛巣洞とは

皮膚の下にもぐりこんだ毛に細菌が繁殖し、膿がたまって生じる病気。

ほとんどの場合、尾てい骨~仙骨付近の正中部(まん中)に発生する。

硬いしこりを触れたり、膿が出たりする。

毛深い男性に起こりやすい。

 

■毛巣洞の治療

膿がたまっている場合、切開して膿を出す。

これは応急処置なので、これだけだと後日再び膿がたまってくる。

完全に治すには、根治手術で病変を取り除く必要がある。

自然に治ることはまずない。

 

■毛巣洞の手術

①感染している袋(毛巣洞)を点線にそって切除していく。

②感染している袋を取り除く。

③創が小さい場合には縫合閉鎖する。

創が大きい場合には、縫合せずに肉が盛り上がって治るのを待つ。

 

解説

毛巣洞(もうそうどう)とは、皮膚の下にもぐりこんだ毛に細菌が繁殖し、膿がたまる病気です。

「尾てい骨のあたりが腫れて膿がでる」という訴えで肛門科や外科を受診された場合、この病気の可能性が高いです。

米国ではジープなどの車両に乗る機会の多い兵士によく見られるので、「ジープ病」と呼ばれているということを文献で読んだことがあります。

乗り物に長時間乗る機会の多い人の場合、シートに接触する部位に力がかかりやすくなり、その部位の毛が皮下にもぐりこんでしまうため、この病気が発生しやすくなると考えられます。

毛巣洞の手術で化膿している袋を切り開くと、中から毛髪のかたまりが出てくることがよくあるのですが、毛髪が見当たらないこともあります。

目に見えないくらい薄い色で小さい毛があったのかもしれません。

創が小さい場合には縫合閉鎖した方が早く治るのですが、たまに縫合したところが化膿することがあるので、この場合には治癒に時間がかかることがあります。

毛巣洞は痔核や痔瘻と違って、肛門からだいぶ離れた場所にできます。

そのため、毛巣洞の手術をおこなう場合には、入院してしっかり麻酔を効かせた上で手術を行うことをおすすめしています。

肛門科の日帰り手術で通常行っている麻酔は、肛門周囲の狭い範囲にしか麻酔効果がないので、麻酔の効きが不十分になることがあるのです。

毛巣洞の手術は、膿皮症の手術と比べると再発率はあまり高くありません。